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断熱DIYがオススメできない理由


TwitterInstagramなどのSNSの発達と共に、DIYの人気が高まっています。

ちょっとした気分転換から大規模な模様替えまで、好きなように暮らしをコーディネートできるのが大きな魅力ですよね。

 

そんな中、最近ではDIYで家の暑さ寒さを防ぐ「断熱DIY」をされる方もいるようです。

今回はこの、「断熱DIY」についてのお話です。

 

熱中症やヒートショックという言葉をよく耳にするようになり家の暑さ寒さがより気になるようになった昨今、もしDIYで暑さ寒さを改善できるなら素敵ですよね。

ただ、カーテンを厚手のものにしたり床にカーペットを敷いたりといった対策はオススメですが、断熱材を使った断熱DIYだけはリスクが高くオススメできません。

 

 

断熱材を使った断熱DIYがなぜオススメできないのか、その理由とリスクについて解説します。


こんにちは!

快適暮らし研究室 室長の深野木 託です。

 

 

 

暖かくなってきたなと思っていたら、ここ3日ほどまた朝晩寒くなりましたね。

布団をかぶると暑いぐらいの日が続いていたのにまた手放せなくなりました(笑)

 

 

 

昨日は今断熱リフォームをしている現場のチェックに行ってきました。

リフォームといっても某番組のような大がかりなものではなく、普段過ごす部屋の窓を二重窓にして壁、床、天井に断熱材を貼るだけのものなので工事はとても短い期間で完了します。

いつも過ごす一部屋の壁と窓だけのリフォームであれば、引っ越しの必要もなく1日で工事が完了してしまうぐらい、今の断熱リフォームは進化しているのです。

 

 

 

新築住宅は今では高断熱・高気密のものが多くなっていますが、既存の住宅は断熱性も気密性も低いものがほとんどで暑さ寒さに悩んでいる方も多くいます。

 

そんな背景もあってか、最近では「断熱DIY」に挑戦する方もいらっしゃるようです。

私はDIYといえば、家具を作ってみたり壁紙を貼り替えてみたり・・・というのを想像していたので、DIYで断熱をというのには驚かされました。

 

 

確かにホームセンターを歩けば工具はもちろん、本格的な断熱材からお手軽な断熱グッズまで様々なものが手に入るようになり、DIYで断熱というのも身近なものになってきているのかもしれません。

 

 

日本ではつい最近までおろそかにされていた断熱性がここまで一般的になってきたかと感動しながらも、正直リスクが高くあまりオススメできるものではないと感じました。

 

 

今回は、私がなぜ断熱DIYをオススメできないと思ったかについてお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

 

こだわりの本格的な断熱DIYほどリスク大!

 

 

 

・ホントは難しい断熱工事

 

壁をはがして断熱材を入れて原状復帰して・・・と、ここまで本格的にされる方はなかなかいらっしゃらないかと思いますが、中には「どうせやるなら」「業者に高いお金払うよりは」と挑戦してみようという方もいらっしゃるかと思います。

 

 

 

 

 

実は断熱DIYで最も危険なのが、こういったこだわりの本格DIYです。

 

 

 

 

 

断熱材は適切な工事を行わないと効果が薄くなるどころか、最悪の場合、家の寿命を縮めてしまうこともあります。

 

壁の中に断熱材を詰めるだけのようですがこれが非常に難しく、「高断熱住宅」と名のついたプロの手による最新の住宅であっても施工不良により暑くて寒い家になってしまっている例を全国でたくさん見ました。

 

 

 

 

 

 

・家の寿命を縮める「内部結露」

 

 

 

内部結露というのをご存じでしょうか。

 

冬に窓の表面で部屋の空気が冷やされ水滴がたくさんつく現象が、壁の中で起こることを言います。

 

 

 

 

断熱材は熱を伝わりにくくするものです。室内側では室温に近い温度になりますが、外側の面は外気温に近い温度になります。

 

もしこの断熱材の外側の面に室内の空気が流れ込んだら、内部結露が発生します。

 

 

 

 

内部結露が発生してしまうとカビや腐食により柱や土台が痛んでしまう他、グラスウールなどの繊維系の断熱材を使用していた場合は断熱性能が失われてしまいます。

 

 

 

 

これを防ぐ正確な施工を行うのは非常に難しいため、DIYでの本格的な断熱工事は避けた方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

簡単な断熱グッズは効果なし?

 

 

 

最近では壁や窓に貼るシートやスプレーなど、様々な断熱グッズが販売されています。

 

どれも手軽に断熱DIYが楽しめ、壁に貼るシートタイプのものは部屋の雰囲気を変えることもできます。

 

 

 

 

 

しかし、残念ながらこれらのグッズでは断熱材としての効果はほとんど期待できません。

 

 

 

 

高断熱住宅を建てる場合、鹿児島のような温暖な地域でも壁の中には高性能な断熱材が最低でも80mmは必要となります

 

 

一方壁に貼るシートタイプの断熱層の厚みは5mm程度と非常に薄く、住宅のような大きな空間では断熱効果はほとんど期待できません。

仮に現状全く断熱材の入っていない住宅であっても、実感できるほどの効果はないでしょう。

 

 

 

もしこのようなグッズを活用したい場合には、窓にシートを貼り空気層を作るタイプのものが比較的効果が見込めるかと思います。

 

 

 

 

 

自分でできる一番いい方法は、基本的な暑さ寒さ対策

 

 

 

暑さ寒さ対策を自分でする場合、無理にこうした断熱DIYをする必要はありません。

 

 

 

 

冬はカーペットを敷いたり厚手のカーテンに変えたり、夏はよしずやすだれを利用するなどの基本的な対策が最も効果的です。

 

 

自分でできる対策についてはこちらをどうぞ!⇒底冷えの正体

 

 

 

 

最初に述べたように、最近では費用や時間、手間を抑えて断熱リフォームをすることもできるようになりました。

断熱材の利用など根本的な暑さ寒さ対策を行う場合は工務店やリフォーム業者に相談するのがオススメです。

 


書いた人

宅地建物取引士・2級FP技能士・暮らし省エネマイスター・暑がりかつ寒がり

深野木 託

実家の断熱リフォームに感動し、大学院で住宅の快適性を専門に建築環境工学を学ぶ。全国の実住宅で温熱環境の実測調査などを行った。

暖かくなってきたがまだ膝掛けは手放せない。